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運動・栄養介入による胃癌周術期のサルコペニア予防効果に関するランダム化比較試験

東京大学医学部附属病院22世紀医療センターの社会連携講座「肥満メタボリックケア」は、2017年4月1日に設立され、東京大学と社会医療法人蘇西厚生会、社会医療法人河北医療財団、ライザップ株式会社が共同で、肥満やサルコペニアに関する研究を行っています。

今回、東京大学医学部附属病院22世紀医療センター内の共同研究室に、ライザップ株式会社の協力のもと運動トレーニング環境(写真)を構築し、臨床試験「運動・栄養介入による胃癌周術期のサルコペニア予防効果に関するランダム化比較試験」を9月より開始する予定です。この臨床試験は東京大学とライザップ株式会社の共同研究として実施されます。

加齢などに伴う骨格筋量の低下はサルコペニアと呼ばれ、身体機能の制限、骨折転倒リスクの増加からさらなる身体活動の低下を引き起こすため、近年注目されるようになっている社会的課題です。消化器癌手術においては、サルコペニアの存在が術後の合併症を増加させたり、化学療法の治療成績を低下させたりすることが知られており、がん治療においては軽視できない問題となっています。特に胃癌術後は食事量が減少するため、体重減少やサルコペニアの発生率は高く、術後の生活の質(QOL)や治療の継続性に直結する大きな問題となっています。これまで、胃癌手術に関しては、様々な再建術式の考案や、術後補助栄養食品の投与などが臨床試験として行われてきましたが、十分な効果は得られていないのが現状です。一方で、サルコペニアの治療としては、蛋白質の摂取、筋肉トレーニングの重要性が近年示されるようになり、手術前の運動・栄養介入が術後の合併症を軽減させる可能性が指摘されています。本研究では、手術の前後に筋肉トレーニングを中心とした運動・蛋白質の適切な摂取を行うことで、サルコペニアや術後の合併症を予防できるかを検証することを目的としています。

今回の臨床試験では、65歳以上80歳以下の方で東京大学医学部附属病院 胃・食道外科にて胃癌手術を受ける方を対象とします。胃癌手術の方針が決定した後に、対照群と試験群のいずれかにランダムに割り付けられます。対照群に割り付けられた場合は、通常通り手術を受けますが、試験群に割り付けられた場合は、手術の前後に、運動トレーニングと補助栄養食品摂取を行います。トレーニングは、トレーナーの個別指導の下、参加者の体力に合わせ週2回実施します。手術などの胃癌治療に関しては対照群と全く同一の内容を行います。術後のサルコペニアの有無や治療経過、血液検査所見などを解析し、運動トレーニングの妥当性を検証します。なお、保険診療として行われる胃癌治療以外の臨床試験に関しては、参加者の費用負担はありません。

近年、高齢化、肥満人口の増加が大きな社会問題となっており、その対策として、運動・栄養管理は非常に重要となっています。一方で、実際にどのようなトレーニングをどれくらいの期間行うべきか、さらには疾患治療や免疫力などへの影響はどうなのかなど、検証すべき点は多いのが現状です。今回の研究により、日本人の高齢者に合わせた適切な運動・栄養療法の検討を行うことは、安全な手術やがん治療の提供につながると同時に、一般高齢者の健康維持・増進に大きく寄与するものと考えられます。

なお、この研究は、東京大学医学部倫理委員会の承認を受け、東京大学大学院医学系研究科・医学部長の許可を受けて実施するものです。また、東京大学医学部利益相反アドバイザリー機関に報告し、利益相反マネジメントを適正に行っています。

この研究の概要

【研究課題】 運動・栄養介入による胃癌周術期のサルコペニア予防効果に関するランダム化比較試験

【研究機関名及び本学の研究責任者氏名】
 研究機関 東京大学大学院医学系研究科・社会連携講座 肥満メタボリックケア
 研究責任者 社会連携講座 肥満メタボリックケア 特任准教授 愛甲丞 担当業務 データ収集・匿名化・データ解析
 共同研究機関 ライザップ株式会社 担当業務 トレーニングの実施

【研究期間】  2017年9月1日より登録開始予定

【研究目的】 加齢などに伴う筋肉の低下はサルコペニアと呼ばれ、身体機能の制限、骨折や転倒の危険性の増加から、さらなる身体活動の低下を引き起こします。癌の治療においても、サルコペニアの存在が手術前後の合併症や化学療法の治療成績低下と関連する報告が複数ありあります。特に胃癌術後は栄養摂取不足もあり、サルコペニアの発生率が高く、術後の生活の質や治療の継続性に直結する大きな問題となっています。 本研究では、手術の前後に筋肉トレーニングを中心とした運動・蛋白質の適切な摂取を行うことで、サルコペニアを予防できるかを検証することを目的としています。

【研究方法】  胃癌手術を予定している高齢者(65歳以上80歳以下)の方を対象としています。胃癌手術の方針が決定した後に、対照群と試験群のいずれかにランダムに割り付けられます。 対照群に割り付けられた場合は、通常通り手術を受けます。 試験群に割り付けられた場合は、手術前3週間、術後3ヶ月間にわたって、運動トレーニングと補助栄養食品摂取を行います。トレーニングは、週2回東大病院内のトレーニング室でトレーナーの個別指導の下、参加者の体力に合わせた筋肉トレーニングを1回50分実施します。栄養摂取に関しては、医師・栄養士の指導の下、1日2回の補助栄養食品の摂取を含めた栄養療法を行います。手術などの胃癌治療に関しては対照群と全く同一の内容を行います。 いずれの群であっても、手術前、手術前日、手術1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後、12ヶ月後に血液検査、アンケートにQOL等の調査、体重・体組成測定、体力テスト(握力測定、歩行速度の測定など)を行います。1回の測定は30分 これらの臨床情報と手術時の合併症や化学療法の情報などのカルテ情報が本研究の解析に用いられます。いずれのデータも匿名化の上、東大病院内で解析します。他の研究参加者の個人情報等の保護や研究の独創性確保に支障がない範囲で、研究計画書及び研究の方法に関する資料を閲覧することができます。

試験の参加条件

東京大学医学部附属病院 胃食道外科で胃癌の手術を受ける患者さんで、65歳以上80歳以下、歩行可能で自分の身のまわりのことはすべて出来る方が対象となります。また、術前化学療法を行う方、ワルファリン内服中の方、疾病などにより運動トレーニングが不適切と診断される方、担当医師が不適切と判断した方は参加できません。

運動栄養療法を実施する試験群と実施しない対照群はランダムに割り振られますので、試験に参加したからといって、必ずしも運動栄養療法を受けられるわけではありません。 東京大学医学部附属病院での手術治療を受けることが前提となり、試験参加の可否については、最終的には当院での診察後の判断となります。

胃癌と診断されている方は、診療情報提供書(紹介状)があれば、どなたでも当院を受診できます。「胃食道外科 初診外来(平日午前中)」を受診してください。

試験に参加したい方で9月1日以前に受診する場合は、その旨を外来担当医にお伝え下さい。待機期間が長期になることは病状に影響する可能性があるので、診察の上、参加可否について判断します。

臨床試験参加に関するお問い合わせ先

東京大学医学部附属病院 胃・食道外科
東京大学医学部附属病院 22世紀医療センター 社会連携講座「肥満メタボリックケア」
特任准教授 愛甲 丞(あいこう すすむ)
電話:03-5800-9538 / FAX:03-5800-9734
E-mail:aikous-tky@umin.ac.jp

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