乳腺内分泌外科

東京大学医学部附属病院 胃食道・乳腺内分泌外科

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食道胃接合部癌(食道と胃の境界部分の癌)と診断された方へ

食道胃接合部(癌)とは

食道胃接合部とは、言葉の通り、食道と胃を連結する部分です。定義上は食道筋層と胃筋層の境界ということになりますが、両者を明確に区別することは難しいです。ちょうど境界線で食道側の柵状血管が途切れることが内視鏡検査(胃カメラ)で観察できますので、これを参考にして食道胃接合部を推定することになります。食道胃接合部の上下2cmを食道胃接合部領域とし、ここに“癌の中心”が存在するものを食道胃接合部癌といいます。

 

柵状血管と食道胃接合部の内視鏡イメージ

 

矢印で示された部分が柵状血管下端となります。時計の0時から3時方向に盛り上がった部分が見えますが、こちらが腫瘍(がん)になります。食道胃接合部領域に中心が存在するがんですので、食道胃接合部癌となります。

(山下裕玄 瀬戸泰之 【術前画像診断のポイントと術中解剖認識】 食道胃接合部癌 臨床外科 2013;68:24-27 より)

 

がんが食道にありますと食道癌、胃にありますと胃癌となります。特に進行癌となりますと、食道癌でしたら食道癌に準じて食道亜全摘をされることが多いですし、胃癌ですと胃全摘が行われることが多いです。食道胃接合部癌は食道と胃の両方にまたがって存在しています。はたして食道癌に準じるべきか、胃癌に準じるべきか。食道癌の手術と胃癌の手術は全く異なる範囲を切除しますので、食道胃接合部癌に対してどういった手術治療が最適であるかは今後の重要課題と考えられます。

 

 


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