乳腺内分泌外科

東京大学医学部附属病院 胃食道・乳腺内分泌外科

胃食道外科

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乳腺外科

現在わが国では乳癌患者が増加の一途をたどっています。2000年には、ついに乳癌が女性の臓器別癌死因の1位になりました。しかし乳癌治療の専門医、スタッフは全国的に大幅に不足しています。乳癌の検診、予防には、検診医、超音波技師、などの拡充が必要で、かつ乳癌の治療は、乳腺外科医、化学療法専門医、放射線治療専門医、緩和ケア専門医、に加えこれらの関連パラメディカルスタッフの関与が必要となっています。このそれぞれにおいて人材の養成には時間がかかり、疾患の増加率に追いついていません。これらの総合的な司令塔は乳腺専門医 (乳腺外科医)が担っています。当科は不足する乳腺外科専門医を一人でも多く育て、現場の医療に貢献し、ひいてはわが国の乳癌治療の成績向上に貢献できることを目標にしています。

内分泌外科

甲状腺や、副甲状腺、副腎を専門に扱う「内分泌外科」は、内分泌学に精通しかつ一般外科の修練を必要とする、非常に専門性の高い特殊な知識、技術の要求される分野です。わが国ではこの分野の専門家を養成できる医療機関、大学は限られています。当科では、このような特殊な分野における症例数が多く、内分泌外科専門医の指導の下、内分泌外科医を養成しうる数少ない教育機関のひとつとなっています。消化管、胸部などの一般外科の修練が終了した医師がより高い専門性を目指してこの分野に足を踏み入れることが多いようです。いずれにせよわが国では完成された内分泌外科医の数はきわめて少なく、大変貴重な人材となります。

目標

当科では、一人前の乳腺外科医、内分泌外科医になっていただくことを第一目標として研修システムを構築しています。同時に、大学に在籍する意味づけを明確にしています。つまり大学院へ進学後、研究を行い、学位(医学博士)を取得することも目標としています。

専門医、学位を取得することは、医師として大きな武器を得ることになり、将来的に磐石な進路が約束されます。しかしながら、患者さんの接遇や病院職員への対応、医局先輩や後輩との人間関係を円滑に行うためには、こうした知識、技術の修練に加えて、人間性を磨くことが必要です。資格、技術、人間性の3要素が満たされてはじめて、医学会の指導的立場や教職に就くことが可能となるのです。新研修制度の欠点が指摘されつつある昨今、従来の大学「医局」における、研修医の人間教育の意義が近年見直されています。各分野の大家、専門家が配置されている、大学医局という組織に身をおいて研究や臨床を行うことは、本人の知識習得はもとより、進路決定に際して決してマイナスになることはありません。また大学では他学部との交流も盛んです。さまざまな人々と交流することは人間としての幅を広げるための大きな要素です。

医学会からはもちろん、社会からも認められる、専門性に特化した専門医になるためには、臨床研修に励むことはもちろん、該当学会に入会し、それぞれの専門医を取得する必要があります。資格の有無は、医師本人の技量を判断する重要な要因です。学会専門医を取得するためには、まず基本学会(外科学会)の認定医、専門医取得が条件となります。このため、消化器外科を含む一般外科、胸部外科、小児外科などで一定の研修も必要となります。大学病院は、こうした他科にまたがる研修が可能となるため大変恵まれた環境であるといえます。

医局員の目標

外科学会の専門医取得後、乳癌学会認定医が取得できます。乳癌学会認定医取得後、乳癌学会専門医試験を受験します。これに合格すれば乳癌学会専門医となります。内分泌外科学会も同様で、外科学会の専門医取得後、内分泌外科学会専門医試験に合格後、専門医となります。それぞれの専門医になるためには、100例以上の乳腺、甲状腺、副甲状腺の手術を経験しなければなりません。このため、3−4年は継続的に診療に従事する必要がありますが、当科では、それぞれがこの症例を経験するに十分な症例を提供することが可能です。大学院に入ると、研究だけになるとみなされがちですが、大学院生になっても診療に従事していただけるシステムがあります。このコースを選択されると、専門医と学位が短期間に効率的に取得できます。以下、実際の医局員の年次計画を表で示します。

乳腺内分泌外科 研修と入局後の専門医育成カリキュラム

医師国試合格後
前期後期研修 1−2年:院内ローテート研修
外勤:2年間 外科希望の場合外科系病院で研修、乳腺内分泌外科希望の場合、可及的早期に日本外科学会、日本乳癌学会、日本内分泌外科学会に入会、
大学に戻り、入局(乳腺内分泌外科に入局した場合)

4−翌3月 病棟主任(手術や病棟業務担当)身分:医員
この間、10月 大学院試験受験
翌 4月―大学院入学:身分:大学院生:研究開始
                  または、臨床現場で研究
                  この間、外科学会専門医取得
3年後:学位準備
4年後:学位取得
大学院卒業後、乳腺内分泌外科スタッフ(医員または助教)として、外来、手術、研究に従事。

日本乳癌学会認定医、専門医取得への道

当科は日本乳癌学会研修認定施設です。乳腺専門医を取得するためには、認定施設での通算在籍が必要となります。
必要条件:学会入会年数 5年(早めに入会することが必要となります)
       +認定施設在籍5年
       外科学会専門医取得済
       学会発表などの点数必要→認定医取得可能(書類審査)
       認定医取得後、
       手術症例数 100例以上、
       乳腺に関する筆頭論文1編以上、(上級医が論文作製指導を行います)
       乳癌学会発表:などで所定の点数必要
       日本乳癌学会専門医書類申請合格後、記述+面接試験受験→
       合格後、日本乳癌学会専門医となる。

日本内分泌外科学会も同様:
このほか、癌治療専門医、マンモグラフィー読影認定医、内視鏡学会専門医なども取得指導をしています。

学位(医学博士)+日本乳癌学会専門医 +日本内分泌外科学会専門医の資格があれば、関連病院の部長クラスのポストに就く条件として問題なく推薦できます。
もちろん、研究などを継続し、論文を定期的に執筆することで、大学教職(助教、講師、准教授、教授)につくことも可能です。

基幹病院での研修は、一時的には症例数も多く、臨床経験の積み重ねには良いように見えますが、学位や専門医などの資格の取得を考えると、大学病院での研修は有利であるといえます。大学は関連病院などのネットワークがあり、臨床経験をつみたい場合には関連病院で一定期間出張する道もあります。また、海外留学や教職への進路選択も可能で、将来のあらゆる可能性をも選択できる大変フレキシブルな職場と言えます。当科では、入局者には、上記の資格を責任を持って指導し、取得していただくための教育人材と教育システムを有しています。東京大学医学部附属病院・乳腺内分泌外科での研修、入局をご希望の方、東京大学大学院医学系研究科において学位を取得希望の医師及び東京大学医学部附属病院にて研修しつつ乳腺専門医、内分泌外科専門医等を取得希望の医師には学内外を問わず公平に門戸を開いておりますのでお気軽にご相談ください。

連絡先:東京大学医学部附属病院・乳腺内分泌外科 (03-3815-5411,内35144)
     科長 田辺真彦 tanabem-sur@h.u-tokyo.ac.jp

 

医師国家試験取得後3年以降の方(研修医終了後の方)
期日:随時
身分:1. 医員(病棟勤務、給与:約150000・月、他1日/週 外勤可能・医局で斡旋、
         院内当直2-3日/月あり)採用後に医局員となります。
    2. 研究生(3日/週 勤務・2日/週外勤可能・医局で斡旋、
           当直などのdutyはありません)
    3. 大学院生 (8月末日に受験申請します。試験は10月です。
             合格すれば翌年4月より大学院生となり、研究を開始します。)

上記以外に医局員になることによるメリット:
○東大図書館など、学内施設の利用が可能となります。
○東大内の学術会議、セミナーなどは自由に参加聴講できます。
○当科の実験、研究施設の利用が可能となります。
○医局で外勤病院を斡旋しますので、収入に困ることはありません

 

 


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