乳腺内分泌外科

東京大学医学部附属病院 胃食道・乳腺内分泌外科

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臨床研究「切除不能進行・再発胃癌におけるニボルマブ治療前後の腫瘍免疫応答の解析」へのご協力のお願い(医療関係者向け)

2017年9月22日に、ニボルマブが「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃癌」を効能・効果として適応拡大され、三次治療以降の標準治療として使用され始めております。

しかし、ニボルマブをはじめとする免疫チェックポイント阻害薬は非常に高価であり、また重篤な免疫学的有害事象の報告もあり、治療効果が期待できる患者の選別を可能にするバイオマーカーの確立が急務となっております。

いくつかのがん種では、腫瘍組織のPD-L1の発現や、腫瘍特異的な遺伝子変異由来の新生抗原(ネオアンチゲン)などの因子が奏効率と関連することが示唆されてはおりますが、臨床判断に用いることができるより信頼性の高いバイオマーカーが求められております。特に胃癌においては、治療の効果判定や適応選択のためのバイオマーカーはまだみつかっておりません。

当科では、当院の免疫細胞治療学と共同でこれまで複数の免疫療法の臨床試験を行ってまいりました。免疫細胞治療学では、がん組織の腫瘍特異的な遺伝子変異を全エクソンシーケンスで同定してネオアンチゲンを同定するシステムを構築し、また全RNAシーケンスを行って腫瘍内微小環境の解析を行い、患者個々の腫瘍内免疫応答の特性をスコア化した「イムノグラム」を作成するなど、患者個々の腫瘍免疫応答を評価するシステムが構築されております。  

今回当科では、これらの解析手法を胃癌患者に応用し、ニボルマブ療法を受ける胃癌患者個々の抗腫瘍免疫応答を統合的に評価し、ニボルマブ療法の前後で比較することで、ニボルマブ療法の効果を予測するバイオマーカーを探索する研究を、免疫細胞治療学と共同で開始いたしました。 患者さんからは、ニボルマブ療法の開始前と開始1か月半後に内視鏡生検検体と末梢血検体を採取させて頂きます

本研究は、その解析手法の独自性と社会的意義から注目されている一方で、内視鏡生検が可能な原発巣を有する胃癌患者は人数が限られているため、当科のみでの症例集積に苦慮しているのが現状です。本研究の趣旨にご賛同いただける先生方におかれましては、適応となる患者さんを当科にご紹介頂けましたらありがたく存じます。

当科にご紹介頂きました患者さんは、がん薬物療法専門医による専門外来で責任を持って治療にあたらせて頂きます。 万が一重篤な免疫学的有害事象等が発生した際にも、他の専門科と十分な連携の上で、最善の対応をさせて頂きます。

胃癌領域において、ニボルマブ療法のバイオマーカーという社会的意義の高いエビデンスを、日本から発信し、胃癌治療の発展に寄与できればと思っております。ご賛同いただける先生方のご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

 

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