その他の胃の病気
胃の病気は胃癌だけではありません。当科では胃癌以外にも様々な胃の病気の治療に取り組んでいます。
胃GIST
最近では、胃の粘膜より深いところから発生する腫瘍(粘膜下腫瘍と呼ばれます)、特に胃GISTが注目されてきています。この病気に対して、日本癌治療学会/日本胃癌学会/GIST研究会からガイドライン(http://jsco-cpg.jp/item/03/index.html)が出ていますが、治療の原則は完全に腫瘍を取り除く事です。小さなものであれば腹腔鏡で、大きなものでは開腹手術で腫瘍を摘出します。転移などで手術ではすべての腫瘍を摘出できない場合や手術前に腫瘍を小さくする目的で特別な薬(分子標的治療薬といいます)を使用する事もあります。
高度肥満のための胃内留置バルーンの臨床試験
高度肥満患者さんに対する臨床試験を行っています。詳細は肥満治療のページをご覧下さい。
摂食障害
様々な理由(神経の病気、脳梗塞の後遺症など)で、口から食べ物を召し上がれない患者さんは数多くいらっしゃいます。胃瘻外来では、内視鏡的胃瘻造設術(内視鏡を使って、おなかに小さな口を作る方法でPEG-ペグ-と呼ばれています)を中心に栄養路造設の相談に応じています。
食道裂孔ヘルニア
胃は本来おなかの中にありますが、食道と胃のつなぎ目の部分が胸の方までつり上がってしまうことがあり、食道裂孔ヘルニアと呼ばれています。このような状態では、胃液や食べ物が食道に逆流して胸焼けや食べ物のつかえ感を生じる逆流性食道炎という病気がおこりやすくなります。お薬で治らない逆流性食道炎の患者さんに対しては主に腹腔鏡を利用して、胃が胸の方までつり上がらなくなるような手術を行います。
胃潰瘍
胃潰瘍は、ヘリコバクターピロリ菌の除菌や胃酸の分泌を押さえる良いお薬で、現在はほとんどの方が手術を受けなくとも軽快していますが、胃の壁に孔があいてしまった時に手術が必要になる患者さんもいらっしゃいます。このような場合、かつては胃酸を分泌する部分を広く切除していましたが、現在は胃の壁にぶら下がっている脂肪(大網)でふたをする手術方法(大網充填術)が基本的な手術方法になっています。